片浦哲志助教の論文がDevelopmental Cell誌に掲載されました

加齢は神経変性疾患をはじめとする加齢性疾患の最大のリスク因子です。加齢のメカニズムの一端として、細胞老化(細胞分裂の恒久的停止)の関与が提唱されてい
ます。老化細胞はその細胞の持つ本来の機能を失っており、こうした細胞が加齢ともに全身に蓄積することで加齢が進行すると考えられています。片浦哲志助教は今
回、ミトコンドリアのオートファジーによる分解「マイトファジー」が、細胞老化や加齢に伴う細胞機能低下の抑制に必要であることを発見しました。さらに、マイ
トファジーを選択的に活性化可能な低分子化合物を開発し、この投与により細胞老化や、加齢に伴う細胞の機能低下を改善できることを明らかにしました。本研究成
果はマイトファジーの活性化が、健康な加齢の実現に貢献し得ることを強く示唆するものです。

原著論文
Suppressed basal mitophagy drives cellular aging phenotypes that can be reversed by a p62-targeting small molecule
Developmental Cell 59 (2024)
https://doi.org/10.1016/j.devcel.2024.04.020

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