研修制度

脳神経内科を取り囲む環境は変革の時を迎えています.

神経疾患は高齢者の有病率が多く,我が国の急速な高齢化に伴い,神経内科の需要は年々増えています.さらに,核酸医薬や抗体医薬により,以前は対症療法しかなかった脊髄性筋萎縮症や筋ジストロフィなどの神経難病の進行抑制が可能になりつつあります.また生物学的製剤などによる神経免疫疾患の疾患修飾療法の発展には目を見張るものがあります。さらに,アルツハイマー病の徴候を発病前段階に血液検査や画像検査で捉える試みや,疾患の原因となる異常蛋白の蓄積を防ぐ薬の開発研究も盛んになされており,認知症の発症を未然に防ぐことも夢ではなくなっています.また,脳卒中治療の領域でも,脳血管内治療の普及により,脳梗塞後の機能低下を大幅に抑えることが可能となってきました.

急速に発展する検査・治療技術を活用するには,最新の遺伝子検査、小分子の測定、および高度な画像検査のみでなく,詳細な病歴聴取,正確な神経診察が不可欠であり,高度な技能(=解釈可能な診察所見を確実に得ることのできる)を持った脳神経内科医が必要とされています.

特に,筑波大学神経内科は茨城県全域および周辺地域からも患者さんが集まり,神経・筋疾患のセンター的な機能を果たしております.地域の診療を支えるため,意欲ある医師の参入を常に求めています.

筑波大学神経内科の特長

当科はレジデントの多様な希望を叶えるサポートをしております.

  1. 経験できる疾患の幅が広く,確かな診療能力を身につけられます
  2. レジデントが主体的に診断・治療方針を決定することができます
  3. 出産・育児・介護などのライフイベントと医師としての成長を両立できます
  4. 希望者は研究の道に進み医学の発展に寄与することができます

A. 経験できる疾患の幅が広く,確かな診療能力を身につけられます

当科の症例の豊富さ,多様さには定評があり,主要な変性疾患,自己免疫性疾患,遺伝性疾患の診断と治療を在籍中に身につけることができます.神経生理検査には外部より講師をお呼びし,検査の質を担保しております.さらに,関連病院での研修では,全身管理や脳卒中急性期の治療,他科のローテーションを経験できます.希望者は,当院脳卒中科をローテーションし,最新の脳血管内治療を学ぶことも可能です.

B. 経験できる疾患の幅が広く,確かな診療能力を身につけられます

当科では,入院症例の診療に対し,主治医と担当レジデントが対等な立場で関わります.希少疾患が多く診断の難しい神経疾患においては,多数の医師がさまざまな角度から症例を検討することが適切な治療を行うために重要です.当科には,エビデンスに基づいた意見は発言者の年次によらず尊重されるフラットな文化が根付いています.

C. 経験できる疾患の幅が広く,確かな診療能力を身につけられます

当科では,さまざまな事情でフルタイム勤務が困難な医師が安心して能力を発揮できるような環境を整えています.会議や検査は定時内に行い,フルタイム勤務者と時短勤務者が足並みをそろえて診療に取り組む体制を整えています.チームで診療に取り組む体制のため,出産でライフスタイルに変化の起きがちな女性医師のみでなく,男性医師の育児,近親者の介護を担う医師もサポートしています. 短時間勤務者が成長し能力を発揮しやすい環境を作ることは,フルタイム勤務者の負担軽減にもつながると考えています.

D. 経験できる疾患の幅が広く,確かな診療能力を身につけられます

病棟では自らのクリニカルクエスッチョンを持って頂けるような指導を行っています.臨床研修の中で生まれた神経疾患に対する問題点を解決するための研究を、大学院で行うことができるよう配慮しています.特に臨床医として患者さんに接することのできるメリットを活かしつつ、最先端の技術・知識を持つ研究機関や企業と共同で、その問題点を解決することを目指しています.


病棟実習,病棟回診,症例検討会などへの参加・見学,研究室案内,大学院入学説明,研修説明などを随時行っております. 筑波大学神経内科に興味のある方は,下記までお問い合わせください。

E-mail;neurol@md.tsukuba.ac.jp
TEL&FAX; 029-853-3224

問い合わせ


当科のカリキュラムや育児支援体制などについては,以下のページをご覧ください.

筑波大学 神経内科(脳神経内科)

筑波大学附属病院
〒305-8576 茨城県つくば市天久保2丁目1番地1
E-mail;neurol@md.tsukuba.ac.jp
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