斉木臣二が責任著者を務める研究成果が、eLife誌にpublishされました

蛋白分解機構であるオートファジーの最終ステップでは、オートファゴソームがリソソームと融合し、オートリソソームが形成され、その中で蛋白分解が進むことで完結します。このステップは主に細胞核周囲(正確には微小管中心周囲)で行われることが多いため、リソソームを同部に集積させることができれば、効率的にオートファジーが進む可能性があります。この発想から、斉木は15年以上にわたりリソソームの空間的分布調節についての研究を続けてきました(Nat Cell Biol 13:453, 2011; PLoS One 9:e94645, 2014; Neurosci Lett 690:181, 2019; EMBO J 41:e111476, 2022)。今回、前任地(順天堂大学)より指導していた伊達悠起さんが、このリソソーム分布を制御する既存薬6種を同定するだけでなく、パーキンソン病病態に深く関与する蛋白質alpha-synucleinの効率的分解作用にまで拡張した成果を挙げてくれました。

Elife 13:e98649, 2024, doi: 10.7554/eLife.98649, PMID: 38899618


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