C型ニーマンピック病は、リソソームの中に脂質が異常に蓄積するリソソーム病の一種で、重篤な神経変性を呈します。今回、片浦哲志助教はC型ニーマンピック病における細胞死に、「オートファジー低下に起因する細胞内NAD量の欠乏」が関与することを明らかにしました。さらに既存薬Celecoxibによるオートファジーの活性化やNAD前駆体を用いた細胞内NAD量の増加により、神経細胞死を抑制できることを患者さんより樹立したiPS細胞を用いて明らかにしました。本研究成果はC型ニーマンピック病の新規治療法開発に繋がると期待されます。本論文は、2024年5月31日にCell Death & Disease誌に掲載されました。
原著論文
Targeting the autophagy-NAD axis protects against cell death in Niemann-Pick type C1 disease models.
Cell Death & Disease 115, 382 (2024)
https://www.nature.com/articles/s41419-024-06770-y
本研究は、筑波大学神経内科の片浦哲志助教、斉木臣ニ教授、英国バーミンガム大学のSovan Sarkar博士、英国ニューカッスル大学のViktor I. Korolchuk教授らの共同研究の基に実施されました。