筑波大学・脳神経内科研究室の基礎研究
筑波大学・脳神経内科研究室では加齢性・難治性神経変性疾患の病態解明と新規治療薬開発を目的に基礎研究を行っています。
私たちの体の中では「オートファジー」という細胞の中のゴミを分解しリサイクルする機構が働いています。神経変性疾患や加齢においてこのオートファジーの機能が低下することが分かってきました。
一方で、神経変性疾患の一部(パーキンソン病や脳内鉄沈着神経変性症等)において鉄の沈着を特徴とする細胞死「フェロトーシス」の関与が示されてきています。私たちは「オートファジー」、「フェロトーシス」をキーワードに、これらの破綻がどのように神経変性を引き起こすのか、その詳細な分子機構の解明を目指します。そしてこれらを標的とすることで、これまでにない神経変性疾患の新規治療薬の開発を進めます。
研究テーマの詳細は研究紹介からご覧ください。
実験設備・技術

分子細胞生物学・生化学・ケミカルバイオロジーの実験技術を基盤に、最先端のオミックス解析等を積極的に取り入れて研究しています。
- 細胞生物学実験 (細胞培養 (細胞株、初代培養、iPS細胞)、遺伝子導入 (ウイルスベクター、トランスフェクション)、免疫染色、細胞死やミトコンドリア機能などの各種アッセイ)
- 生化学実験 (ウェスタンブロット (SDS-PAGE、NATIVE-PAGE)、共免疫沈降、pull-down assay、ELISA等各種酵素アッセイ、質量分析)
- 分子生物学実験 (遺伝子クローニング、変異導入、DNA/RNA定量 (qPCR)、 遺伝子編集 (CRISPR-Cas9)、遺伝子ノックダウン(siRNA, shRNA))
- バイオイメージング (共焦点顕微鏡・蛍光顕微鏡観察、デコンボリューション、画像解析、機械学習)
- フローサイトメトリー (セルソーティング、細胞周期・細胞死解析等)
- 創薬スクリーニング (化合物ライブラリスクリーニング、構造活性相関解析、標的同定、最適化)
- 網羅的オミックス解析 (RNA-seq (shRNAライブラリスクリーニング)、プロテオミクス (APEX2近傍標識法)、リピドミクス、メタボロミクス等)
研究体制・環境
研究プロジェクトを面談の上決定します。その上で、担当プロジェクトを専門とする教員が1対1で研究計画の立案・実験技術の指導を行います。また、実験経験の豊富な技術補佐員3名が実験手技の習得をサポートします。
週に1度の研究室ミーティングでは生データを含めた実験結果・実験計画のディスカッションを綿密に行い、フィードバックします。
研究指導教員は全員が英語圏への留学経験を有しており、日本語・英語での指導が可能です。
研究室参加希望の方へ

神経変性疾患の分子・細胞レベルでのメカニズムに興味をお持ちの方、研究者になりたい、未知のものを解明したい、という意欲の溢れる方を募集しています。
- ポスドク
- 大学院生(修士・博士)
出身学群・学類は問いません。また他大学からの進学も歓迎します。博士課程については、下記の制度の受入・申請をサポートします。
- 日本学術振興会特別研究員(DC1, DC2)
- JST-SPRING
- 筑波大学学生
- 医学類の方は、研究室演習(M1-M4)・新医学専攻(M5-M6)で受け入れ可能です。
- 卒業研究は学群を問わず受け入れ可能です。
日本学術振興会特別研究員(PD)の受入・申請をサポートします。
問い合わせ
筑波大学・脳神経内科研究室(基礎研究)についてのお問い合わせ(研究室見学、進学希望等)は斉木臣二(ssaiki@md.tsukuba.ac.jp)・片浦哲志(tkataura@md.tsukuba.ac.jp)までご連絡ください。